てぃーだブログ › キミとのんびり

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Posted by TI-DA at

2019年03月18日

春の花

毎年春になると咲く花が満開になりました。


今年で見納めになりそうだね。

来月になれば、また新たな暮らしが始まります。

切なさ半分、期待半分。


このブログも卒業式ですね。

今まで、お世話になりました。
ありがとうございました<(_ _*)>


  
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Posted by きみあきこ at 21:39Comments(0)日記日常

2019年03月09日

広くなったけれど

キミがいなくなって、49日が経ちます。

昨日は、不用品を業者さんに引き取ってもらいました。

出来るだけ処分しようとまとめてみたけれど、まだまだ踏ん切りがつかず思っていたほど片付かないなぁ。



予定時間より早めに業者さんが到着、3名で手際よく片付け、一時間で作業は終了しました。



キミのために用意した机や本箱、私が使っていた鏡台や着物用の桐の箱。

そして、このキミルームに取り付けたエアコン。

もうなくなってしまうと、それぞれの思い出もだんだん記憶から、薄くなっていくのかと思うと寂しくなります。



何にもない部屋には、カーテンの明け閉めや掃除の時しかいかないね。



それに少し疲れも出てきた感じです。
こんな時は、好きな物を食べるのがいいね。



久しぶりのホットケーキでランチタイム。
3枚焼いて2枚を食べました。



夜は五平餅にしました。



ホットケーキも五平餅もキミが大好き‼️



キミと一緒に食べたあの日を偲んで…





  


Posted by きみあきこ at 02:34Comments(0)日記キミのこと日常

2019年03月03日

おひなさま工作

このところ毎日荷物の片付けに追われています。

キミの写真は思いの外たくさんあります。
どれもこれも懐かしいなぁー

その中で今日にぴったりな出来事は…


養護学校訪問教育 小学部3年
地元小学校の先生とお友だちとお母さんをお招きしておたのしみ交流会を行いました。



その時におひなさま工作をしました。









養護学校の担任の先生が準備した顔のパーツやしゃくを貼ってお内裏様を作りました。


とっても可愛いおひなさまが完成しました。



これからは、季節の思い出で楽しめるね🎵
そうなると、写真は全部大切な宝物だね。
  


Posted by きみあきこ at 21:39Comments(0)日記キミのこと

2019年03月01日

思い出との別れ


最初のキミの月命日までは、色々手続きがあって忙しく過ぎました。



使用していた介護ベッドも、業者さんに引き取ってもらったのでキミルームも、ガランとしています。


この街へ引っ越した当時もそうでしたが、体から、ストレスサインが点滅です。
どうやら、私は歯が痛くなるみたい。
眠っていても、痛みを感じて目が覚めました。

1月は時々痛くても我慢していたから…。

でも、今は時間を気にしなくてもいい。
それならと歯科医院に受診。
処方された痛み止めを飲んだら、徐々に効いてきたみたい。


すぐにキミの衣類や布製品など処分しました。


キミが生まれてから、ずっとつけていた生活記録も最近のノートだけ残して処分しました。


それでも、まだまだ荷物がいっぱい。



キミの12年間の養護学校時代のがんばり表や訪問通信やアルバム。

たくさんの思い出たちとの別れは勇気が必要です。


キミと一緒に支えて頂いた多くの先生やお友達との思い出は宝物。

出来れば、ずっと持っていたい…。


それでも、いつかは手離さなくてはならないとしたら…


それは今なのかな。
うーん、切ないなぁ。


一週間後には、他の不用品も含め業者さんが引き取りに来ます。







  


Posted by きみあきこ at 16:33Comments(0)日記キミのこと日常

2019年02月09日

大きな安心に包まれて


1月末、この半年間毎週のように通った病院へお世話になったお礼の挨拶に伺いました。

主治医の先生にアポをとり、面会の時間を作って頂きました。

いつもの外来処置室の前で待っていると、大変お待たせ致しました。こちらへお入り下さいと係の方に案内されました。


先生の話では、


9日の血液検査の数値は悪くなかったし、体の状態からも(亡くなること)思ってもなかったんだけどね。

救急に来た時は、アンビューで空気を送ったが、肺がふくまらず硬かったと聞いています。
もう、肺胞の機能がダメになっていたんだね。

それは、膿胸(2017年3月)の時の影響もありそうです。
でも、あの手術も厳しい状態でしたがよく乗り越えられたと思います。

そして、今日までよく頑張られたと思います。


そう、話す先生はとても柔らかな表情でした。


扉の前で振り返り、長い間本当にお世話になりました、ありがとうございました。と一礼して私は処置室を出ました。



1月21日(月)
午前6時半から午後6時まで私は電話をかけ続けた。

キミのことを伝えなきゃとの思いで…。


携帯の通話履歴は21日付の欄でいっぱいになった。


お通夜には、福祉施設の所長さん、3名の養護学校の先生、3名の訪問看護師さんが葬祭場へ駆けつけて下さった。


棺の中で横たわるキミは、今にも動き出しそうだった。
頭もとに、用意した小さなスヌーピーとカエルの小物入れと手紙を置いた。


キミのエピソードを私は2時間ずっと話していた。
集まった皆さんとキミは私の声を静かに受け止めてくれた。

1月22日(火)
最後のお別れには、4名のご近所さん、民生委員さん、養護学校のお友達のお母さんが来て下さった。

ご近所さんとお友達のお母さんと私でお骨拾いを行なった。


キミ、ありがとう!
今日からはいつも一緒だね。



これからもよろしくね‼️




いつもキミと私を優しく見守りながら、いざと言う時には行動して下さった皆さまには感謝を申し上げます。
本当にありがとうございました。

そして、

【キミとのんびり】を訪れて下さったすべての皆さまに感謝致します。
ありがとうございました<(_ _*)>


  


Posted by きみあきこ at 14:47Comments(2)日記キミのこと医療

2019年02月03日

一年前からの予感

一年前の節分は…


折り紙工作 赤おにさんと青おにさん



季節を感じながら、キミと工作をして楽しんでいたよね。

でも、キミも私も何となくわかっていたんだよね。
キミと一緒の豆まきはもうできないってことを。


1月21日(月)
葬祭場の黒い車に乗ると直ぐに建物が見えた。

時刻は午前1時30分になっていた。

こちらで息子さんは、お預かり致します。
ご遺族さまは、こちらへ、と会議室に案内された。


病院を出る時に先生から渡された死亡診断書を取り出すように言われた。
左側は、死亡届になっていた。


間違えないように書いたつもりだったけれど、本籍地の住所の村の名前を書き忘れていたようだ。

明日の打ち合わせを済ませ、担当者さんがアパートの近くまで、同じ車で悪いけどとすまなそうに送ってくれた。


ひっそりとしたキミの部屋に入り、時計を見ると午前2時35分だった。


このまま眠ってしまうと、朝寝坊だ!

と思っても眠れそうもない。


キミの写真をプリントアウトしなきゃ。
プリンターを新調しておいて良かったー

この時のための写真は決めていた。
用紙をセットしてスマートフォンのアルバムを開き、印刷ボタンをタッチ。



可愛いあじさいの花越しにこっちを見ているキミ。

木製のフレームに入れて、見ながらキミに話しかけるように手紙を書いた。

それから、小さなスヌーピーとカエルの小物入れも用意した。


ふと、窓越しの空が明るくなっていることに気づいた。


朝になったね、おはよう!キミ。

思わず、声になっていた。


この後も、見えない力に突き動かされていく私だった。

次回へつづく…  


Posted by きみあきこ at 23:36Comments(0)日記キミのこと折り紙

2019年01月31日

最初で最後のお化粧


明日からは2月。

今年の1月は私の人生で最も早く過ぎました。


アパートの和室には、キミの遺影とたくままさんより届いた御供のアレンジメント。

その前に座るとたくさんの方々からの

頑張れ‼️

の声が私の心に響きます。


1月20日(日)
必要な連絡をとるために、案内されたベンチに座り、携帯を取り出した。

時間は23時20分だった。

かけたのは、アパートを送り出してくれた訪問看護師さんの携帯。

遅い時間になりましたが、すみません。
お知らせがあってかけました。

いえ、構いません。
入院になった?

それが、救急科で処置中にキミはそのまま息を引き取りました。


えー!! そんな…

看護師さんは驚き、だんだん言葉にならず、涙声になるのがわかった。

取り敢えずのお電話ですみません。
ありがとうございました、失礼します。


私は、冷静な自分が不思議だった。


以前からこんな時のために確認しておいた市役所の守衛室にかけた。

事情を伝えると担当者に連絡し、再度電話を入れるとのことだった。
すぐに折り返しの電話があり、今後の指示を受けた。


連絡はとれましたか?
では、こちらで一緒に、

そう言いながら看護師のMさんが案内してくれた。

カーテンで仕切った救急室の片隅でお気に入りのオーバーオールを着たキミがストレッチャーに横たわっていた。

シャンプーをして、髪を整えました、と先ほどごめんねと言った男性看護師のKさん。

お花を、と言いながらピンクのカーネーションの花束をキミの腕に抱えるように置いた。

こんな時間に花束まで用意してくれることにびっくりした。

私もキミの服と一緒に持ってきたスヌーピークッションを頭もとにフリースケットをキミの体にかけた。


何かしてあげたいことはない?とMさん。

爪切りかな。

あまり切れないかもと、Kさんが3つほどワゴンの引き出しから爪切りを出した。

では、これでと選び、私は両手の爪切りをした。

元々色白なキミの顔が青みを帯びていた。

お顔もきれいにしましょう。


3人でお化粧をした。


キミの初めてのお化粧だねー

ファンデーションと口紅を塗り、頬紅もすると明るい表情になった。

いつものキミ君だね、とMさん。


それでは、暫く場を離れます。
カーテンが閉まった。

二人だけになり、私は洗いたての柔らかな髪にふれ、ただキミの顔を見つめていた。

まわりの音は何も聞こえずしーんとしていた。


失礼します、とカーテンが開いた。
葬祭場の担当者の方が到着しました。


では、こちらにお移り願います。

看護師のKさんと葬祭の方で専用ストレッチャーに移し、キミは全体を青い布で包まれた。


これから、葬祭場へお運び致します。

エレベーター前で救急スタッフの看護師さん2名が静かに頭を下げた。

ありがとうございました。


地下に降り、通路を進み、扉が開くと黒い車が止まっていた。


では私どももここで、と先生から診断書を渡された。



真冬の夜、出口の外はとても寒かった。
キミに臨終を告げた薄い白衣姿の先生と半袖の制服姿のMさんが丁寧に頭を下げた。


私はお礼を言い、キミと一緒に車に乗った。


日付は21日(月)になっていた。


次回へつづく…  


Posted by きみあきこ at 22:13Comments(0)日記キミのこと医療

2019年01月28日

笑顔の長い夜


昨日は、初七日。
悲しみは忙しさが消してくれたのかな。

それとも、キミがそうさせてくれているのかな。

いつもキミのそばで見守っていたスヌーピークッション。
今は柔らかな肌触りで私を慰めてくれます。




1月20日(日)
22時47分、ご臨終です。
十数名の人達がいる空間が、しーんと静まった瞬間だった。


そして、救急スタッフの皆さんは、それぞれの持ち場に散っていった。


キミの頬を触っている私に、
少し、そばに居ますか?
いえ、居て上げて下さいと、先生が言われて私は用意された椅子に座った。

すると、スタッフのひとりがキミに近づき話し出した。
見ると、キミと同年代くらいの若い男性看護師さんだった。

点滴がなかなかとれなくて、何度も痛い思いをさせてしまいました。
もっと早く、止めれば良かった。


本当にごめんなさい、と私に、そして、ごめんね、とキミに。

大丈夫ですよ、皆さん、ありがとうございます。
と私は言った。

先生から、急なことでしたので、原因がはっきりしていません。
今からCTを撮って判ることがあるかもしれませんのでよろしいですか?と聞かれた。

お願いします。

何度か救急車で来ているためか、救急科にも顔見知りの看護師さんがいて、労り話しかけてくれた。


再び、先生からCT画像からは原因がわかりませんでした。
解剖して突き止めることもできますが、希望されますか?

いえ、それはしなくても良いです。手術でたくさん頑張りましたから。

では、これで私ども医師の処置は終わりになります。

ここからは、看護師さんが対応。
優しい眼差しだけど、テキパキと動く体。

今から、体をきれいに整えますが、気管カニューレやチューブはどうされますか?

そう聞かれると、返答に困った私の顔を見て、

ごめんなさい。体の一部だからとそのままでと言われるご家族さまもおられるので尋ねました。

そう言うことでしたら、全部はずしてスッキリさせて下さい。キミもスッキリしたいと思うのでお願いします。

わかりました。


では、待合室でお待ち下さい。


しばらくすると、

看護師さんがそばに来て、
今、パジャマを着てみえるけれど、どうされますか?

準備して来ていないから、お気に入りの洋服を取りに行けますか?
タクシーを使えば、それほどかからないと思います。


確か近くでしたね。
では、そうして下さい。その間にお体を整えますね。お気をつけていらして下さいね。



病院の玄関前に待機中のタクシーを見て、こんな時間に止まっているんだ、大きな病院だから、そこは、すごいなと…。


タクシーに乗り込もうとすると、看護師さんが荷物をかかえて走ってきた。

救急車に乗る時、キミと一緒に運んだ毛布やクッションだった。

たくさんだから、今持ってってもらった方がいいかと。

ありがとうございます、助かりました。


と荷物を受け取り、私は自宅へ向かった。

運転手さんに、また病院まで戻るから待っていてほしいと伝えて、玄関の鍵を開けた。


慌ただしく出かけたんだとキミの部屋に入って思った。

クローゼットからチェックのシャツ、整理ダンスから肌着、靴下、オーバーオールを取り出して袋にいれて、待たせてあるタクシーへ乗った。

帰りも行きも私は無言だった。
運転手さんも無言だった。


救急科の受付のベルを 鳴らすと、二人の看護師さんが出て来て、

お母さん、早い!と二人がハモった。

洋服を渡し終わると、外来看護師のMさんがこっちの方がいいかもと空いている診察室へ連れて言ってくれた。

どちらかと言うと、ずっと笑顔の私に、泣いていいんだよ、泣きゃなきゃダメ!

入院中、さんざん予行練習みたいに泣いたから、もう泣かないよ。むしろキミとの約束だから笑顔だよ。


強い親子だね。
看護師のMさんの方が涙ぐんでいた。
その優しさに私の目も潤んだ。

そうだ、連絡を取らないと。


じゃあ、こっちの方がいいかもしれないと、ベンチが並ぶ場所へ案内された。
入院中にこんな時はどこへ連絡が必要かは聞いてあり、携帯の電話帳を開いた。


私が困らないように、キミは準備をもう始めていたんだと感じた。


電話の向こうから、
はい、市役所の守衛室です、と聞こえてきた。


次回へつづく…





  


Posted by きみあきこ at 16:53Comments(0)日記キミのこと医療

2019年01月25日

立ち会えなかったその瞬間



1月22日午前9時半、キミはゆっくり空に消えて行きました。

ひとりになると、食べることも忘れていることに気づかずにいます。


お腹がすいて何か食べなきゃと思いつき、お淋し見舞の包みを開けてお菓子を口にしました。

キミなら、どれ食べる?
あっ、いなかった。

今は、まだキミに話しかけてしまう私です。




1月20日(日)
朝、6時半に目を開けたキミ。
おはよう!朝の準備をするね。

解放している胃ろうチューブから出ている廃液を片付け、オムツのパッドを取り替え、坐薬をいれて、廃液とパッドの重さを測ってノートに記入。

エレンタールを水で溶かして栄養ボトルに入れ、てんかん薬とカリウムと胃腸薬を水で溶かしてシリンジに詰めて、薬から腸ろうチューブに注入。

今から、お薬が入ります!
次は栄養を始めるね、とキミに声かけ。

栄養チューブを栄養ポンプにセットしたら、エレンタールの注入を開始。

それから、歯みがきと顔拭き。

朝のケアはこれがいつもの流れだけど、この日は何故か足を温めようと思った。

キミ、足湯をしようか?
うん、そうすると聞こえたようなキミの顔つきを見て、

じゃあ、支度するね。
バケツにお湯をいれて、沐浴剤をとかした。

ベッドの柵をはずし、キミの体を斜めにしてベッドから片方ずつ足をおろし、バケツのお湯の中に入れるとキミもリラックス。


乾燥しているから、ベビーローションをつけるねと言いながら、細くなった足をマッサージ。

すぐ冷えないように靴下とレッグウォーマーで保温。

体の位置を整えて、毛布を掛けるとキミは目をすぐに閉じて眠りについた。
その寝顔はとても穏やかだったので、足湯は大成功!!と私もほっとした。

栄養ボトルの消毒剤がなくなり、今ならキミが大丈夫と買い物に出かけた。

そして、キミの好きな音楽を流したり、聞こえるように本を読んだり。
ベッドの傍らから離れずにいた。

午後6時、キミが目を開けた。
私は夕食を食べ始めたところだった。

一度キミが痛そうに顔をしかめた。
どこか、痛いのかな?

すぐ、穏やかな表情になったので、まだご飯の途中だから食べるねと言って、急いだ。

食器を片付け、キミを見に行くと、また顔をしかめた。

どこが痛い?と私はかけてある毛布を取り、お腹を見た。
いつもより脹れて熱っぽく感じた。


さすると少し和らぐみたいだけど痛そうだねーなんてまだのんきにしていた私だった。

キミの険しい表情の間隔がだんだん短くなり、看護師さんに電話をするねと連絡をした。


はい、どうしました?
こんな時には何故か当番になっている聞き覚えのある看護師さんの声。
私の緊張が少し緩み、キミに看護師さんが来てくれるからねと伝えた。

すると、待っていたかのようにキミは頻呼吸になり、口びるの赤みはなく白くなっていった。


看護師さんは様子から直ぐに救急車を呼びましょうと言ったので、私は手早く荷物を作った。

救急車は直ぐに到着した。
救急隊員が看護師さんや、私から様子を聞き取り、忘れ物は大丈夫?気をつけていってらっしゃいと看護師さんに見送られて私は車に乗り込んだ。

時間は夜9時を過ぎていたと思うけれど、病院に到着した。

担当医師が名乗り、救急隊員や私から様子を聞き取り、その間に救急科のベッドに移ったキミを少し遠目で見たのが、最期の生きている姿になった。


ご家族さまはこちらでお待ち下さい。
しばらく待合室にいると、心電図モニター音が早く聞こえているけど、キミのかな?

そこへいつもの外来でお世話になる看護師さんに会った。
お互いに驚いて、でも知っている人に会うと私の緊張は少しほぐれた。

と思っていると、先生にこちらでお話を伺いますと診察室に入った。


先ほどの若い医師が僕らは普段の様子がわからないから、今とはどう違うのかと聞かれた。

どこかが痛むように顔をしかめていたけれど、訪問看護師さんを待っている間に頻呼吸になってしまい、呼びかけの反応もない状態に感じます。

普段はもっと静かで穏やかです。
呼びかけると、しっかりこちらを見て反応します。
普段は穏やかなんですね、と先生は繰り返した。

では、待合室でお待ち下さい。


待合室のソファーに座ると先ほど会ったいつもの外来の看護師さんが私の傍らに腰を下ろし、大丈夫!?
と話しかけてきた。

今日は、夜勤担当で最初キミだと気づかなかったけど何で?
と思ったらしい。

こんな不安な時だからMさんがいて、私達親子はラッキーだね。

と話していると再び別の医師から話があると呼ばれ部屋に入った。

ふと、心電図モニターの音がしていないことが気になった。

先生は名乗り、すぐに続けた。
びっくりしないで聞いて下さい。
実は今、心臓マッサージを行っています。
すでに心肺停止しています。

そのことを理解して頂けましたか?

ということは呼吸も心音もないということですか?

そうです。
では、ご本人にお会いできますか?

はい、会います。

こちらです。


私はドラマのよくある場面みたいと思いながら、横たわりすでに冷たく、青ざめたキミに会った。
私は冷静というより笑っていた。

静かに先生は、蘇生術を始めて20分ほどがすぎましたが今の時刻、22時47分、ご臨終です、と告げた。

キミの回りには10名ほどの救急のスタッフの皆さんがいて、同時に頭を下げた。

私は、キミよく頑張ったね、頑張ってくれたね。ありがとうございました。
と言っていた。


そして、触ってもいいですか?と聞き、
キミの頬に手のひらを当てた。

冷たくなっちゃったね、と心で呟き動かないことを確認した。



次回へつづく…
  


Posted by きみあきこ at 06:00Comments(0)

2019年01月23日

ゆっくり、その日が近づいた


今、キミは私の心の中に住んでいます。


2019年、新しい年が始まると同時にキミは
残っていた生きるエネルギーを出して、一日一日を送っていたんだね。

二人で静かなお正月を過ごしたあとは…


1月4日(土)
腸ろうチューブをお腹に止めてある糸がはずれてしまい、午後4時に病院を受診。
遅い時間でも、落ち着いて出かける準備ができたね。


1月6日(日)
届いた年賀状のお返事に寒中見舞いを作成。
キミには、切手シールを貼るお手伝いを頼んだね。



1月8日(火)
訪問看護の日。いつもの看護師さんと実習生さんが訪問。可愛くて若い学生さんとの会話がはずみ、キミはちょっとしゃべり過ぎ、静かにしてと体で訴えていたよね。
ごめんねーとみんなで笑いあったね。



1月9日(水)
決まっていた通院日。いつもの処置室で、主治医の先生が採血と点滴。いつも先生が苦労するけれど、この日はすんなりできたよね。
だから、先生と看護師さんとの雑談もあって何だか楽しかったね。

この日が、キミが大好きな先生の最後の診察となった。


1月15日(火)
この日の訪問看護は午後1時半から2時半。
そう言えば、14日の夜に顔色が悪くなって38度の熱があったことを看護師さんに伝えていたね。

この時から、キミの体調はゆっくり下降してたんだ。
私も何だか気になって夕食はコンビニのお弁当で手早く済ませることに。夜もキミのゼコゼコが多くて吸引回数が増え、二人ともあまり眠れなかった。


1月16日(水)
この日も決まっていた通院日。
歯科で歯があたって舌に傷ができていたから、少し歯を削る治療も時々じっと動きを止めて先生が誉めてくれたね。
次回は2月に予定を入れますね、またお会いしましょう!待ってますと優しく先生が笑って、待合室まで送ってくれたね。

いつもキミと私をいたわる、優しい歯科の先生の最後の診察となった。


そして、いつもの外科の先生が胃ろうのチューブ交換を処置室で行った。
体に入っているチューブを抜く時も新しいチューブを入れる時もゴリゴリしながらだったから、キミは痛そうだったね。

思わず、私は大丈夫!?と言ってしまった。
母親の目の前では普通は行わない処置なんだけどって先生は言ってたね。

キミには痛かったね、ごめんなとの声かけ。
次回は4月かな。頑張ったね、ごめんなと先生は隣の診察室へ。
これが外科の先生の最後の診察だった。


1月18日(金)
この日の持続栄養はスムーズでいつもより少し早く一日分の注入が終わったので、私は何となくこれから起きる事態を感じていたから、伸びてしまった髪を切ることにした。

キミに何かあるといけないから、髪を切ってくるね、と声をかけるとそれがいいねというような顔をした。


少し伸ばし過ぎたので、いつもより時間がかかり、午前1時近くになっていた。
キミを見るとまだ起きていて、待っていたようだった。

キミ、ありがとう。切ってシャンプーしてきたよ、可愛くなった?と言うと
まあ、できたなら良かったねという顔をして、キミは眠りについた。


1月19日(土)
午後2時を過ぎてキミの様子に気づいた。
呼吸が浅く、時々身の置き場がないように体を動かしていて、体温やSPO2値をチェックした。体温37.5度、SPO2 98%
悪い数値じゃないけど、何だか変。

2時間ほどでいつもの穏やかな様子に戻り、私の焦る気持ちも落ち着いた。
でも、これは…。

そして、とうとうこの日がやって来た!


1月20日(日)
いつものように朝のケアを終わらせ、足湯もしようかとキミに声をかけた。



次回へつづく…  


Posted by きみあきこ at 02:38Comments(0)日記キミのこと日常医療